わいせつ物頒布罪は

わいせつ物頒布罪は、刑法175条で規定される犯罪。

わいせつ物陳列罪とも呼称される。

刑法175条は「わいせつな文書、図画、その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役又は250万円以下の罰金若しくは科料に処する。

販売の目的でこれらを所持した者も、同様とする」と規定する。

本条は主に戦後の文芸裁判において社会的に大きく問題とされた。

「徒に性欲を興奮又は刺激せしめ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する」が、サンデー娯楽事件、チャタレー事件、サド・悪徳の栄え事件、黒い雪事件、四畳半襖の下張事件、愛のコリーダ事件など。

最近の事案では、漫画のわいせつ性が争点となった松文館事件が挙げられる。

これらの事件では、特にわいせつ性と芸術性の関係が問われた。

すなわち、刑法175条は上位法である憲法が保障する信教の自由に表現の自由や学問の自由に抵触するのではないかという点が争われたのである。

本罪は「被害者なき犯罪」の一類型であり、ポルノの自由化を提唱する論者も少なくない。
update:2010年07月20日